インド カーニャクマリ2 アンソニー 

 この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

 アラビア海から昇ってきた太陽にドラの音と共に人々は

沐浴をする そしてビチョビチョのままどこかへ帰っていく

 カーニャクマりでしたかったそれぞれの海にある太陽を

見てしまいこれからどうしようかと街をブラブラしていた 

岬周辺にはお土産屋や食堂 寺院があり賑わっているが

ガイドブックの地図に載っていない方向へと行ってみる

 旅はとにかく歩くものだと実感する 地図を見るのもそこそこ

にしてよくあても無く歩いたものだった そうやって土地勘を養っていった

 繁華街とは反対の道をひたすら歩くと砂浜がマーブル状になっている

所が見える この浜辺にそれぞれの海から運んできた砂のように

思えて写真に収める きっとなんてこと無い浜辺なのだろうが

勝手に気分を高揚させ遥か向こうの海を想像していた 暫く

ボケっとしていると 後ろからタミル語訛りの英語で話し声が聞こえた

振り向くとマッチョな男だ 体格に似合わないつぶらな瞳(奥目)の

人懐こい笑顔でこちらに近づいてくる 自分に話しかけていた

ようだった ”ここで何をしているのか?”と聞くので面倒臭いので

”ただ海を眺めてる”と 軽くあしらっても こちらの意思に反して

マッチョな男は興味を未だ隠せないようで色々聞いてくる

日本人であること 旅行でここに来ていること 23歳の学生である

こと(ウソ)など答える マッチョな男の名前はアンソニーと言った(本当)

アニメ『キャンディ♥キャンディ』のキャンディスホワイトの顔と共に

 ♪そばかす~なんて~♪♪というフレーズと共に

メロディーラインが頭の中に浮ぶ アンソニーは確か

レモン色したクセ毛にツルんとした肌の王子だったと記憶している

 今目の前のニコニコしているアンソニーは漆黒のクセ毛(短髪)と

アリンコ髭に暗褐色の肌に筋肉が隆起していた 丘の上の王子様

というより海の若大将というのがしっくりくる アンソニーという名前

で我が右脳で情報処理している間もアンソニーはニコニコして白い歯

が清々しい アンソニーは家に招待すると言い ノコノコとついて行った

舗装された道は途中から無くなり人の歩く轍の道に変わり街灯も無くなった

 集落に着くと ”ここだ ”と案内された家は屋根が何かの葉っぱで

覆われて大きい石が所々置いてある 壁はプリーのアチョーのオッサン

の家より造りはしっかりしていた きっと嵐が多いのだろう やはり

薄暗い家の中に入るとゴザを敷き ”ここに座れ ”という 2~3歳

ぐらいの男の子と奥さんが奥から出てくる やはりここでも奥さんの

笑顔は無い 突然の外国人の訪問に戸惑ったのかもしれない、、、

アンソニーはアルバムを持ってきて奥さんとの結婚式写真を

見せてくれた 中学生みたいな過ごし方だな、、と思いながらも

国際力(喜怒哀楽のハイテンション)で場の空気をかき回す

2人の姿は意外にもタキシードにウェディングドレスであった 

そういえば南インドは昔スコダガマが漂着した以降ST.ザビエル

などによってキリスト教を布教したことを遠い記憶から引っ張り

出していた 頭上の棚にイエスキリストのイラストにマリーゴールドの

花が添えてある どうやらこのあたりはヒンズー教の土着信仰に

キリスト教が混ざっているようであった それでアンソニーという

名前も納得できた そうこうしてたらカリーが運ばれてきた 

家カリーだ 再びの家カリーにテンションが上がる 前回は緊張で

味があまりしなかった 今回はちゃんと味わおう 何かの魚が入った

カリーだった 皆で車座になって食べる 以前より手で食べるの

が巧くなっている 今回は奥さんも一緒になって食べる チラっと

奥さんを見ると目が合った なんだか気まずく味の記憶が無い

 お礼にカメラで家族撮影をする ファインダーの向こうには

アンソニーだけがニコニコしていた

 旅のオマメ

 キャンディ♥キャンディ….原画:いがらしゆみこ 原作:水木杏子

 バスコダガマ….ポルトガルの航海者で、探検家 だが実質ただの海賊だったらしい

 ST.ザビエル…….彼の頭は本当は剃っていない と聞く

2010-03-29 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed