インド カーニャクマリ3 漁

 この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

 朝3時にタカシを起こし ボンヤリした月明かりを頼りに

アンソニー宅へ向かっていた 今日からアンソニー達と漁に出るのだ

前日アンソニーに 『一緒に漁を手伝わないか?』と誘われたのだった

 家に行くとてっきり外で待っているのかと思ったらご近所ごと

シーンとしていた 『アンソニー!』 と力弱く呼ぶとが奥目を擦りながら

マッチョなアンソニーが出てきた どうやら集合時間を間違えていた

らしい ここでも我が英語力を残念に思う 1時間ほどアンソニー宅で

仮眠してウトウト寝入りばなを起こされボーっとしたまま浜辺に行くと

仕事仲間2人と合流してボートに乗り込む ボートはよく公園の池に

ある手漕ぎのボートより老朽化した年代物のクラッシックタイプで

ボディにモーターを取り付けたというとことん無駄をなくしたというか

無理したというか簡素なボートだった 推定3~4人乗り 

一気に眠気が飛んだ 自分とタカシも乗り込んでかなり不安定に

なったと思うがそれでも静寂のインド洋へと甲高いモーター音で

つんざいてかっとんで行く 陸の明かりはやや東の向こうに点々

と見える 海の男達は月や星の位置を見て今いる海の位置が

わかるのだろうか 夜空を確認しながら 前日仕掛けた網の所まで

迷いも無く進んでいく 甲高いモーター音が急に静かになると

網を仕掛けたヴイが見えた ポイントに着いたらしい 漁の手伝いとは

仕掛けた網を引き上げる仕事だった 4人で(1人は舵取り)引き上げる

立つとグラグラして海に落ちそうだった ヨロヨロしながら ”この海には

サメはいるか?”と聞くも なぜか答えてくれない 1つ目を引き上げると

全然かかっていない 所々アナゴみたいな魚が引っかかっている

”噛むからキケンだ!”と言う魚だった あと奇妙な魚がかかっている

”とても雑に扱われる”という魚だった もう1つのポイントでもあまり

かかっていない さらに次の網を引き上げると日本でも馴染みのモノ

がかかっていた ”イセエビ”だった(たぶん)初めて歓喜の声が

上がる テンションも上がる 夢中に引っ張りあげる網にイセエビ

が所々引っかかっていた どのくらい漁をしていたのだろうか、、

ボンヤリした月はだいぶアラビア海の方に傾いていて すべての網を

引き揚げた時にはベンガル湾側が白み始めていた時だった

 思いもかけない場所で朝陽を拝みながら網で更に重くなった

ボートは陸へと目指しかっとんで帰っていく 既にこの頃には

”マジで吐きそう5秒前”寸前に陸に着きヨロヨロ上がる 

アンソニー達はまだ網を直したりする仕事があるらしいが

自分とタカシは昼頃又来てくれと言う 昼飯を食べようと言う

ありがたく宿に戻り寝て体調を整えてからアンソニー宅へ向かう

『もしかして イセエビカレー?! 』アンソニー宅に向かいながら

タカシと勝手に期待を膨らませていた タカシは初の家カリーに

相当の期待をしていたのだと思う 『まさかインドでイセエビなんて、、』

何回か繰り返し言っていた アンソニー宅に着くとゴザを敷き談笑

している間に(ジェスチャー6割)カリーが運ばれてきた 

”とても雑に扱われる”魚と”噛むからキケンだ”の魚のブツ切りが

チョット入ったカリーだった  そうだよな、、、、と素直に思う 

期待という膨らみがプチンと萎む アンソニーはこちらの一瞬の

落胆の顔を素早く察知したのだろう 『イセエビは日本に行くのだ』

と言っていた

 もしかして結婚式に出される半身のイセエビはアンソニー達が

獲ってきたのかもしれない

 旅のオマメ

 イセエビ…….天敵はイシダイ タコ そしてサメ

 

 

2010-04-02 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed