インド デリー3 旅の味

 この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

 『旅の持ち味』には 時々訪れる瞬間の出来事の 時に汗を流して

心を熱くしたり 時に涙を流して 心を震わせたりする といった感覚の覚醒

が旅の醍醐味の1つだが そんな瞬間に至る様々な紆余曲折のスパイス

(素材)は時を経てフっとした時でも滋味として味わうことが出来る

 スパイス(素材)が多いほどその一瞬は絶佳として後の人生のワンシーン

として記憶にベッタリ貼られ スパイス1つ1つは風味として後の人生の糧

としてジンワリ染み込ませてくれる

 自分は常々運が良いと思っている 旅に出ていても色んな”あの時”を

思い出しても やはり運が良かったんだと思う

 運が良いというのは 自分の行ない云々 では無くて ”何故か人に

恵まれた” ということだ それは B.T(before 旅)からそうだった 美容界に

ドップリ浸かった10年間 上司に恵まれ 部下に恵まれ お客さんに恵まれた

なので 美容しか見ていなかった そのせいなのか美容以外の情報は

温められた牛乳の膜ぐらい うすうす であったから そんな自分が世界に

旅へ出てみると うっかりも災いして それはそれはあまりにも知らない

世界が多すぎた ナイトライフにおける ”計画のうすうす(0.02mm)” は

大事だけれど 旅における ”計画のうすうす ”はあまりにも無責任であった

今 旅を思うと ”無計画の外だし(外国に行ってから考えること)”であった事に

冷や汗が出る それで(出)来てしまった プルプルのロングコートチワワ

(癖毛の自分)でも世話をしてくれる人はいっぱいいたのだった

 今思うとその日も人との出会いで大きく旅の醍醐味となる時だったと

思う

 パキスタンヴィザとりを無事に終え翌日そのテンションをエクステンション

し中国大使館に向かうも 少しばかり勝手が違う中国ヴィザに四苦八苦

していると 後ろにヒゲヅラの男性(推定30歳)が立っていた 顔の

50%は漆黒の毛で覆われていたが手にしているパスポートは赤い10年用

の日本のパスポートだった ここでも又 プルプルのチワワに戻っていた自分は

目を潤ませて そのヒゲヅラのつぶらな瞳の男性に申し込み書の判らない所を

聞く ぶっきらぼうであったが明確に説明してくれ 無事申告を済ませ

大使館を後にする すると 前方にさっきのヒゲヅラのサラサラヘアーの

男性と小っこいロングヘアーの女の子(推定25歳)がバスを待っていた

”この辺”は今の時間はバスと時たま流しているオートリキシャーしか

走っていなく 人は見当たらない そのままバス停で追いつくような形に

なるが2人に交わることもあまり無くメインバザールで別れたのだが

数日を経て預けたヴィザを受け取りに中国大使館に行くと 又

あの時のヒゲヅラのわりに小奇麗な男性と小っこいロングヘアーの女の子が

いた 再会の挨拶を程々にパスポートを待っている時だった 行列に並ぶという

モラルはワールドスタンダードであっても必ずしも どの国にも当てはまる事

では無い その当時インドでもしばしば列を乱すという 無秩序がこの上ない

事があった この時ここ中国大使館内もそうであった 列の秩序が乱され

いよいよ収集がつかなくなってきた時 ふいに 小っこいロングヘアーの女の子

が大声で仕切り始めた それはそれは見事な仕切りっぷりであった 小っさい

女の子が大の大人の男達を仕切りまとまっていく様子は痛快であった が

何も出来ない自分が情けなくも思っていた

『おー!!』とヒゲヅラの関西弁(正確には讃岐弁)の男性と彼女の偉業を

称えていた 急に2人との仲間意識が高まりそのテンションのまま

帰りのバスではお互いの情報を交わしていた そしてそのテンションを

エクステンションしてヒゲヅラの伊藤君(28歳)の髪を切ることになり

偶然にもバラナシの宿で一緒だった永井君(28歳)も再会して彼の髪も

切っていた 暫く続く旅の仲間との出会いであった 

 旅の醍醐味となる隠し味がパラリ振られた時でもあった

 旅のオマメ

 小っさいロングヘアーの女の子……この旅日記を偶然読んで”これって私じゃね?と思ったあなた! ktmiskw@hotmail.com まで連絡ください 髪を切る約束をはたせないままに今に至ります もう女の子ではなく素敵な女性になっていることと思います

2010-07-16 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed