パキスタン ラワールピンディ3 残念な日

この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

 我々4人一行はラグメンに舌鼓をBeat it したあと旅人の情報を頼りにたどり

着く先は『ソフトクリーム屋』 っと言っても軒下というより路上にマシーンが

1つあるだけでご近所の子供達用であることは容易に想像できていた

 ただ ”パキスタンでソフトクリーム”という上から目線のドレドレ感とただ単純

に我々4人はソフトクリームが大好きであったので嬉々として注文する

小さめのコーンにツイストされるソフトクリームも小ぶりなフォルムだ

味は喉をスルっとスルーしていくサッパリタイプ 本当にパキスタンの

ソフトクリームのクオリティーは高いとみた(自己判断)

”うまー!うまー!”と連呼する我々4人一行にソフトのオッサンが

”チョコ かけるか?”と聞いてくる 1ルピー(確か、、)追加料金がかかる

という チョコは普段口にしない自分だったがパキスタンでチョコという

上から目線のドラドラ感とただ皆が注文するのでそれに乗っかった訳だ

ソフトの頂にドロリとチョコをかけてもらい再び嬉々とねぶっていると

シズカちゃん(モモレンジャー)が ”これ チョコじゃないね!”とクールに

ジャッジ どうやら チョコと思ってねぶっていたものは 黒砂糖をどうにか

こうにかしたものらしい、、、とのことだった スイーツの観念が希薄にしても

我バカ舌を不憫に思う シズカちゃん(モモレンジャー)は日本に帰れば

パティシエであった だからスイーツに関してうるさい(らしい) 物知りの

ヒゲのイトウさんは『パティシエ』という言葉をこのとき初めて知ったそうな、、

まぁそれでもソフトクリームは旨いに変わりはない我バカ舌のジャッジだった

 ブラブラ街を徘徊しているとけたたましいモーター音と共に走り去る車1台

ウルトラ警備隊も真っ青のデコラティヴなアウトライン 人を蹴散らせ排気ガス

を撒き散らすアウトレイジなドライブテク ”スズキ”だ スズキとは日本車

SUZUKIの軽トラックの荷台に幌をつけた乗り合いの車で日本の車検では

通らないくらい改造して日本の法律ではまかり通らないほど人を乗せる

パキスタンではお馴染みの車だ スズキの噂はかねがねパキスタン帰りの

旅人から聞いていた (なぜかラホールでは走っていなかった) メガネの

ナガイさんがすかさずスズキを被写体に興奮しご満悦であった

 ラグメンにソフトクリームというご当地グルメを堪能し子供の頃夢中になった

スーパーカー並みなテンションでスズキを見ていた、、、このときまでは本当に

愉しい日々だった

 その時は勿論何の前触れも無く突然やってきた

宿に戻り床に就いた丑三つ時(たぶん)猛烈な腹痛と吐き気が襲ってきた

毛むくじゃらの大男が襲ってくるよりはましだったが 下痢と嘔吐が同時に

襲うというのも中々厳しい、、、全身の穴という穴がユルユルになる感じだった

パキスタン式トイレ(和式)にしゃがみ顔を埋めると思わず前転しそうになる程だ

”ついに自分もこういう日がきたか、、”と涙と鼻水も垂らしながら思っていた

暫くトイレとベッドの往復を繰り返すと 胃の中の物が一通り搾り出され

あとは下から絞り出てくるだけになった 必死に何が原因でこうなったか

頭を絞っても何も出てこない 証拠に同じ部屋のメガネのナガイさんは

グースカ寝ているのだった 更にトイレとベッドの往復を繰り返し やっと

小康状態になった頃にはすっかり夜が明けた頃だった 別の部屋の

ヒゲのイトウさんやモモレンジャーの体調はすこぶる良いようだった

結局なにが体調不良の原因か容疑者を割り出せないまま迷宮入りとなって

しまった 1日ベッドに横になって天井を見ていると 旅に出て初めて病気

らしい病気に一気に旅のテンションがあらぬ方向に向きを変え我が額に

ブルーの縦線ば数本入る 旅日記を読み返し今までの旅を思い出す

旅に出てしょっぱなからテンパッたこと マッサージ屋のオバちゃんに

お粥を奢ってもらった事 サトシとの日々 アンソニーの子供の事 ガンガー

に流れゆく死体 ダライラマとの謁見 パキスタンの男だらけの喧騒、、、、

弱気とセンチメンタルが混同するなかただベッドに横になっているだけだった

 そして辛かったのはフンザに行く為ギルギットという街までのコースター

を予約していたのだったが一行3人がキャンセルしてくれた

何も無いラワールピンディの逗留する申し訳無い思いで旅のテンションの

ベクトルがさらにあらぬ方向に距離が増すのだった

 旅のオマメ

 

                           PHOTO      ヒゲのイトウさん

パキスタンのパブリックバス 手前のオッチャンはシャルワールカミースを着ている

2011-05-23 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed