パキスタン フンザ4 ハレの日の思い出

この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

今でこそ(2012)皆 携帯電話のカメラやポケットにすっぽり収まってしまう

デジカメなどでことあるごとに日常を撮っているが 当時(’99初夏)フィルムカメラ

が幅を利かせており自分にとって写真を撮るというのは日常のケの日から一脱した

ハレの日であって まさに特別な日か何処かに出かけたという記念や記憶の為に

撮っておくのがほとんどだった フィルムを現像に出して時間とお金をかけて

やっと手にする写真はまさにハレの日の思い出であり記憶を手繰るものが

ほとんどだ 旅に出始めた頃は見るもの全てが新鮮だったため シャッターを

無駄に押しフィルムを無駄にし仕上がった写真を見ては ”勿体無い、、、、”と

思うことがほとんどだった やがて日を重ねるごとにシャッターを押す回数が

減っていく しかしギルギットに入ってから再びシャッターを押す回数が増えて

始めフンザに来てオーバーシャッター(シャッター過多)でフンザの一部一部を

ハレの日の思い出として残していく、、、、、

フンザの北にも小さい村が点、、、点、、とありイトウさん ナガイさんとで

日帰りでカラコルムハイウェイを北になぞって行く ハイウェイといっても

ヒツジがのんびり道を横断したり ロバが道なりをとぼとぼ闊歩していく

一般道 ハイウェイのすぐ脇に新緑が萌え ヒツジが草を食み ロバが

悲しく嘶く 囲む岩山は天にそびえている 宮崎駿アニメ風の無着色無香料

の風景がここにも広がっている

<写真 イトウさん>

フンザのこれまでと今ここでの情景は深呼吸をするたびにジンワリ

沁みていく 琴線がポロンと奏で心の音叉(おんさ)が震えっぱなし

であった そんな時だった

「なぁ カイラス行かへんか?」

漆黒の髭が顔半分覆うイトウさんが言う

帰りのヒッチハイクの車を待っている間 我が3人組はカラコルムハイウェイで

妙なハイテンションだった ナガイさんはこの後パキスタンを南に下り

西へ西へと地を這う旅を続ける イトウさんはカイラスを巡礼してラサ

入る予定だ イトウさんからカイラスの誘いは以前もあったが曖昧な笑顔

でスルーさせていった まさか本気で自分を誘っているとも思えなかった

イトウさんの漆黒の髭は今までの過酷な旅を無言で物語ってくれたし

流暢に英語を話している横でフンフンと 解ったふりをしている自分とでは

旅のスキルが違いスギル お荷物この上無い、、、、

まして自分がカイラスに行けるとも思えなかったからだ

それだけカイラス巡礼は自分の知っている限り大変な旅だと行ってなくても

確信していた しかし「カイラス巡礼」 いい響きだ 憧れはあった

ここまでこれたことで 旅の偏差値が上がった気分が周りの旅人達に近づけた

気がしていた もしかして行けるかも、、、!?と思った瞬間であった

旅のルートが決まった瞬間でもあった

フンザやこの日の写真はいずれ遭う強盗に撮られてしまったがこの時の

記憶はハレの日の思い出として鮮明に今も刻まれている

 

次回予告 『カイラス巡礼』アンサーブログ

 

旅のオマメ

カラコルムハイウェイ…….中国ウイグル自治区最西部とパキスタン北部をカラコルム山脈を横断して結ぶ道路 途中海抜4,693メートルのフンジュラーブ峠を通り、国境を横断する舗装道路としては世界一の高所を通る道路

カイラス…….別名カンリンポチェ 中国にある山で仏教(特にチベット仏教)ボン教 ヒンズー教 ジャイナ教の聖地といわれる 聖なる山などで登山は出来ないがミラレパが山頂に達した、、、とwikipediaには書いてありました 教徒はここの山の周りを巡礼する 1周52キロ ちなみにアジアン雑貨の店に売っている シバ神の後ろにある山はカイラス

ラサ………..チベットの古都 最大の都市 チベット仏教文化圏の中枢

 

 

2012-05-10 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed