インド カルカッタ3 カルカッタチョットショック

  この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

寝苦しい夜 宿の窓から下を覗くと数人の子供がうつぶせに

寝ている姿が街灯のオレンジ色に照らされてボンヤリ見える

ストリートチルドレンと呼ばれる子供達だ

何の夢を見ているのか、、 今日という日は彼らにとってどういう日

だったのだろうか、、、

1つのブランケットらしきものを2人の子供が握って離そうとしない

姿を見ながらひたすらに暑かったカルカッタの日々を重ねて

思い出してみる

 昼のストリートチルドレンは行きかう人々の袖をひっぱり

右手の人差し指を自分の下唇にあてるしぐさを壊れたCDプレイヤー

のように繰り返していた、、、、、

 拭っても拭っても滴り落ちる汗に目が霞んでいると 

目の前を裸足のリキシャワーラーがクラクションがわりに大声を

あげて婦人を乗せた人力車を引っ張り通り過ぎていく

スパイスの香りが混じった埃を巻き上げ悪路を車輪が蹴る音と

ともに人力車も小さくなっていくと別の喧騒の中に立っていた

 手足がなくうつぶせになって体をくねらせながら物乞いを

する男の背中や首の汗を誰が拭ってくれるのだろうか

 日中いつもの場所で唄っている盲目の少年は朝どこから来て

夜どこへ帰っていくのだろう 

 とある寺院の儀式で生きたヤギの首が刎ねられる

ハエが舞う肉屋の生臭い臭いを嗅ぐたびに首を失ったヤギは

それでも数歩歩いて倒れても暫く空を蹴る姿が鼻腔を通じて

フラッシュバックする、、、、、

 20世紀の間にカルカッタ周辺に大地震 飢饉 旱魃 サイクロン

が襲い又紛争に巻き込まれ土地を失った人々が難民となり

カルカッタに押し寄せた その数数百万人という カルカッタの街は

難民で膨れ上がり毎日数千トンというゴミが路という路に溜まり

公衆トイレが無かった為か路上で用をたす人々が街の1割以上も

いたという 害虫害獣の繁殖を増大させ伝染病の巣窟となり

難民達は誰に見取られることも無く路上で亡くなっていく

劣悪な衛生状態と貧困に負のスパイラルはカルカッタを簡単に

飲み込み増大していった

 この街の光景を『宇宙1最悪の所』などとジャーナリストに

揶揄されバックパッカーの先駆者達は『カルカッタショック』と

表現した街カルカッタは21世紀まであと200と数日に迫った

今(1999/3)では未だに衛生状態は良くないものの貧困は

いたるところにあるが インド唯一の地下鉄にYシャツ姿の

サラリーマンを乗せ 緑でいっぱいの公園に水がまかれ

ホームレス達は元気に”バクシーシ”と当たり前に手を差し出す

ネズミ ゴキブリはは徘徊しているものの伝染病が蔓延して

いるようには見え無いまでになっていた

深く澱んだドロドロした負のイメージというよりは 混沌の中を

貪欲という燃料で生きるエネルギーに変えて喧騒というクラクションと

ちょっぴり有害物質を巻きちらせながら爆走する街だったと思った

 カルカッタは現在コルカタという名に戻り街はさらに進化

(爆走)しているという

 旅のオマメ

 リキリャワーラー…….人力車を引く人 ワーラー(主人)

 バクシーシ……………施し 喜捨

2010-02-13 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed