旅のコラム 忘れられない味

 旅の不定期コラムです

味覚の基準は慣れ親しんだ舌が記憶する家庭の味が大半を

占める 幼少の頃友達の家で出されるカルピスの濃度の違いに

敏感に違和感を感じ 嬉々として飲む友達の姿を不思議に

チラ見したものだった 慣れ親しんだ味付けやトッピングは

家庭の違いや土地の違いもあるがそれでもそれぞれであり

マズイというのはマズ無い

 個人や各地の『味(具)の普通』は存在して『普通の味(具)』は

存在しないのだと思う

 各国行った中で出された料理で調理上の失敗をされない限り

不味いというのはないのだと思う たまたま味覚の違い 志向の

違いで口に合わないものが存在するだけだと固く信じて 興味

持った食べ物は貪欲にトライした

 雑食系の自分としては口に合わないものが滅多に無いが

獲りたてもぎたてのセミをどうしても口に入れることが出来なかった

以外はまぁ食べたものだった

 調理済みの虫(バッタ類)を興味本位でかじってみた

クリスピー感ゼロの”ムニ”っとした食感は今でも呑み屋で

冷めた川エビをかじるとと思い出す

 タガメ酒を口にする機会があったが 使い込まれた公衆トイレに

入ると時々思い出す

 ドリアンもチョットづつ口にして食べたものだった(コラム ○○な

食べ物 参照)『食す』という日常何気ない行動に『頑張ってみる』

というのは食べ放題以来だった

 まぁ食べてきた そして大体が”イケる”範疇内と思うのが

ほとんどだった(タガメ酒 ドリアン マトン味のソフトクリーム以外)

 その中で忘れられない味が多々ある 今回はその中の1つ

ご飯『米』だ 米を主食とする国は少ない アジア一帯のゴハンは

ほとんどがパサパサしている これはこれで旨い が

我儘なものでモッチリした米を食べたくなったりする 中国では

まだやわらかい米が出てきたが 小石(ジャリ)がしょっちゅう

入っていてまさに”砂を噛む思い”をしたものだった 米を主食と

しない国々では米はサラダ感覚だったり 何らかの味がついていたり

モッチリツヤツヤとした米はなかなかお目にかかれない分

モッチリツヤツヤの米に募る思いが時々フラッシュバック

のように襲う

 そんな中ネパールのカトマンズ(首都)に滞在中で食べた

ゴハンは今までの旅に無いモッチリツヤツヤ感があって ゴハンを口に

入れて鼻から抜けるかほりは懐かしいにほいだったと今でも

思い出す 中国のハードな旅のあとカトマンズで食べた

”しょうが焼き定食(ヤングマン定食)”は今でも旅仲間との

語り草だ

 しかしもっとも『米』ゴハンで思い出されるのはグルジア ズグディディで

食べた米 場所は訳あって警察署 訳あって数日を過ごすことに

なった自分達(もう1人連れがいた)に婦人警官(でっかいオバサン)

が ”日本人は米を食べるでしょ” とわざわざ米を炊いてくれた

平べったい皿にコンモリ盛られたホカホカのゴハンは ツヤツヤ感は

欠けるがモッチリしているようだった ”ハイ”とスプーンを手渡され

ると下がりきっていたテンションがほんのチョット上がる

 皿を前にいっこうにオカズが出てこない スプーンを持って

愛想笑いのhelp eye を婦人警官に向けると

”あら ゴメンナサイネー”というような体で部屋を出て行った

ホッとするも束の間 皿の横にドンと置かれたのは何かの

調味料、、、、降りかける、、、白い! 塩か、、、、

既に期待はあらぬベクトルを変えていたがそれでもせっかくの

炊いてくれたゴハンを食べてみる         砂糖だった

今思えばオハギのアンコが無いものだと思えば良かったが

訳あってそこまでの心の余裕がその時に持ち合わせてなく

嬉々としてガッツク事が出来なかった スプーンが指揮者のタクト

のように宙を舞う もともと怒っている風の顔の婦人警官だったが

この時は本当に怒っていたのではなかろうか、、、わざわざ炊いてくれた

いっぱいのゴハンを婦人警官が1人ムッシムッシと砂糖がけゴハンを

たいらげていくのをすまなく思いながら横でチラ見していた

 CMで ♪サト~のゴォ~ハ~ン~♪♪ というフレーズを

耳にするとグルジアでのゴハンを思い出す

 コラムのオマケ

 ヤングマン定食……..カトマンズ タメル地区にある日本料理『古都』にある 定食コース ゴハンが食べ放題 

2010-04-12 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed