インド ダラムサラ 2 謁見前 

この投稿は1999年から2001年までのバックパックを背負って世界を放浪した話を書いてます

 ダラムサラという街は山の麓と中腹の上下の二重構造になっている

麓の街は褐色のインド人達が多くひしめきあって賑わっており インド人達は

ここをロウァーダラムシャーラーと呼び 山をつづら折に登っていくと中腹にある

街は亡命チベット人達(中国から)やチベット系の人達が多く住む街に

なっており人々は此処をアッパーダラムシャーラーと呼ぶ

旅人達はダラムシャーラー(ダラムサラ)というと中腹にあるアッパーのことを言う

 前日デリーから自分を乗せたバスは ユッサユッサ揺らしながら14時間を

要して終点のダラムサラ(アッパー)に着いた

 我がケツが肉まんの底みたいになっているようでケツを手であてがいながら

ヨロヨロバスから降りる するとバックパックは早々放り出されてロータリーの角に

転がっていた あわててバックパックを背負いグルリ見渡す ダージリンで見た

ような日本人によく似た顔がそこかしこにウヨウヨし 又 上品そうな

欧米人達がウロチョロしていた 山の中なので我が肺が心地よい 鼻息が荒く

なり背負ったバックパックのショルダーを掴んだ両手の握力がいつも以上に入る

 とりあえず宿を探す ダラムサラは小さい街なのだが世界中から

ダライラマ14世に謁見する為此処を訪れる外国人は少なくない

よってここでも宿はピンキリに多い 中心部は値段が高めだ 又山の中の為か

夜が冷えるとみえ 一見ショボイ宿でもホットシャワー付きという今までのインド

にとって付加価値はここではしっかり価値として認められ宿の値段も少しだけ

張っていた(今思うとインドの冬は普通に寒かった、、、)

 地図と街を見比べ 宿の値段と懐の予算を見比べ 中心地からヨロヨロ

外へ外へと進んで行くとかなり外れの方まで来ていた

 体に薄暗い霧がかかった疲労感をまとい 顔にストライプを入れた悲壮感を

出してある宿にヨロヨロ入る この宿も疲労困憊した宿のように見えたが

フロントにかけてある値段を見て宿のアウトラインとは想像も出来ない値段を

見てユルユル踵を返すとレセプションのオッチャンが ”チョット待て”という

”スペシャルルームがある” という ”オマエに其処を貸そう”という 

いぶかしんで値段を聞くと指3本立て ”30ルピー”(約105円)という

しかも ”個室だ”という いぶかしんだまま ”部屋を見たい”というと

外へ連れて行かれた この宿は歩いて来た側から見るとくたびれた感じが

したのだが反対側や内装は綺麗であり一部改築中なのか増築中なのか

なんだか判らない宿であった 宿は山にへばりつくように建っており その宿に

しがみつくように外階段があり そこを下りる 向こう正面の緑が力強い

見晴らしがすこぶるいい 景色に見とれてグラグラの階段を下りると宿を

支える柱の脇に無機質な部屋がある スペシャルルームだ 

なんだかボイラー室を思わせる外ズラだった 

中はあきらかにしっとりしてそうなベッドにあきらかに足の長さが違う机のみの

小売りのチーズケーキみたいな二等辺三角形の1ルームの間取りだった

広さ4畳ほどだろか 30ルピーに相違ない部屋だった 個室といっても

’部屋を着ている’というか’部屋の袖を通している’感のある個室だった

 窓が無く頭上に通気口なのか隙間があり 扉を閉めると陽がこぼれ

悲壮感(ホコリ)が舞っているのがよーく判る 渡辺篤史ならどこをどう

こそばゆく褒めてくれるのだろうか、、、、裸電球をつけなければ昼でも薄暗い

トイレシャワーは屋上にあるという 勿論水シャワー ようは従業員の部屋を

あてがわれた訳だが30ルピーの格安物件に疲労がアシストして暫く此処に

お世話になった

 3~4日が過ぎるとダラムサラが思いのほか居心地がいいのが判る

ダライラマグッズチベット関連の店がいくつもあり ついつい財布の紐が

弛み 食事はチベット系のものをよく食べ辛さがない為腹が弛むことは無い

又 日本人経営の日本食屋があったり欧米人が好きそうなケーキ屋さんが

あったりと思いのほか食の宝庫であった 又ビデオ上映するコーヒーショップ

があったりと暇をもてあますことがない この街で色んな旅人と出会い 再び

出会う旅人(伊藤さん 永井さん含む)とも合流した 意外だったのは

此処に来た旅人は皆『ダライラマとの謁見を強く望む』人達かと思いきや

”ダライラマって人がここにいるってきいたのでー”と呑み屋の看板娘を見に来た

ような動機が不純なような カジュアルに旅ネタの為に来た奴もいたりした

 ダラムサラに来れば当然ダライラマに会えると深く考えず信じていたのだが

ダライラマは此処を起点として世界アチコチ平和やら何やらを説きに廻っている為

常に此処に居るわけではなく 又政府の役人でも無く下々の民に影響を与える

有名人でも無い下々の民は年間を通して頻繁に謁見が行なわれるという

訳では無かった 更に聞けばここに来て数ヶ月待っている人がいるという、、、、

驚愕の事実だった ここでも相変わらずの他力本願に勝手に耳が拾ってくる

あやふやなダライラマ謁見情報に一喜一憂した日々を送っていたのだが

”近々謁見がある”という ざわざわ街自体が浮き足立つような情報に旅仲間は

色めきあった ”明日ダライラマオフィスで10時から手続きが始まる” という

情報に旅仲間のテンションのタコメーターが右に振り切るのだった

 本当にダライラマに会える 本当に

そう思うだけでインドに来てよかったと思う

 旅のオマメ

 渡辺篤史…..建物探訪の人Ⅱ

 ダライラマグッズ…..プロマイドからありがたいお言葉がプリントされたTシャツなどまで多数そろっている

 チベット関連……FREE TIBET とプリントものから仏画 チベットのビデオ 多岐に渡ってある 笑ったのが CHINA進入禁止のステッカー 笑えないのがビデオを買ってきたがPAL式の為日本で見られず、、、

 食事はチベット系….ヤクレストランという処の『ギャントゥク』という料理は タンメンとトンコツを合わせた感じのきわめてラーメンに近い料理 美味い!インドの美味しいベスト10に入る

 ビデオ上映するコーヒーショップ….外に上映時間と上映作品が書いてある ほぼハリウッド物 勿論日本語字幕無し スクリーンからテレビまで店はマチマチ

2010-10-07 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed