中国 カイラス巡礼 9 一喜十憂

この投稿は1999年から2001年までをバックパックを背負って世界を放浪した話を書いています

人生初のヒッチハイクに乗り込んだ時はそれはそれは心が躍ったものだったが

ただただ今はトラックの振動で我が尻を躍らせるばかり、、、、、

前日夕方にヒッチハイクに成功し(イトウさんが)真っ暗の中 体温を

奪っていく雪女のような布団の中で一泊し まだ陽も昇るうちに出発し

車内起きたり寝たりを繰り返し2日目を向かえていた

なんてったて 暇である、、、、

このトラックに同乗するまでヒッチハイクといえば、、、、、

ドライバーとのコミュニケーションに言葉の万里の長城に四苦八苦しながらも

フっとドライバーのフロントガラスには奥さんと子供らしき色あせた写真、、

それを綺麗だ!可愛い!!などとチャカすと照れるドライバー すると彼の

ポケットから”これでも 齧ってろよ!”と渡されるのは赤いリンゴ

急に肩でハンドルを小刻みにきりながら片言の日本語でアリガト、、

こちらもなんだか急に照れて齧ったリンゴは少しだけすっぱい、、、、、

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、妄想

今 トラックの助手席でヒゲのイトウさんと自分はただただ黙って

前を見ていたりうつらうつらしたりすっかりこのトラックの縦揺れの

波長にもシンクロしつつあり トラックの運ちゃんは黙々と運転を続けている、、

インドやパキスタンでのベッチャリと舐めるような視線や友達でも何でも無い

のにMy Friend!(Rの発音がきつい)とパーソナルスペースがまったく無い

スキンシップが中国に入ってからほとんど無くなった 中国に入って人との摩擦が極端に

減った このトラックの運ちゃんも我々和製ホール&オーツに話しかける事

も無く食べ物をくれる事も無く時折パワステなどなさそうなハンドルを切る時

大げさに唸り声をあげる時以外黙々と運転をしている

暇だ そして 寒い、、、、どうやら標高が富士山を越えたらしい

そう聞くと急に頭が痛くなるようで不思議だ 寒いとメンタルに効いて

ネガティブに働く事が多い ひたすら荒野を走っていくと急に集落が見えてくる

ここに住んでいる人達を思うと何だかやりきれない気持ちになりネガティブは

トラックのスピードより加速していく、、、どうやらここでメシのようであった

トラックを降り伸びをしながら集落を見渡すと小中学校のころのライン引き

石灰を全体に撒いたように粉っぽい 何だか集落全体がボヤ~と見える

もしここで生まれ育ったら娯楽は何だろうとネガティブは深いタメ息と

共に沈んでいく、、、、、、、

埃っぽい食堂でメシを喰らう 埃っぽくあろうが薄暗くあろうが

暖かいメシというのは寒いのとは逆に人の心を和ませる

腹も満たされなんだかポジティブになって周りを見渡すと

ここの集落の人達も頑張っているのだな、、と希望の目でみているから

また不思議だ

そんな心が穏やかになったのにいざ出発となると トラックを乗り換えろ

との事 乗っていたトラックも疲労困憊しているのがパっと見のアウトラインで

ジャッジできるがどうやらエンジンがとうとう逝かれたらしい

今まで見てきたアジアの車のほとんどが自分たちで直していた 部品は廃車に

なったところから頂戴してくるのでフランケンシュタインのような車や

もはや骨組みしかないガイコツみたいな車を見てきたが ここも然り

もし何も無い荒野でトラックが故障していたら、、、、

と思いゾっとし まあ不幸中の幸いだなと まだこの時は思うのだった

一喜十憂の旅がゆっくり動き出していた

旅のオマメ

Rの発音がきつい……No.1をナンバルワンだったり Tigerをタイガルだったり、、、

パワステ……..パワーステァリング 車のハンドル操舵をサポートする装置

小中学校のころのライン引き…….昔のグラウンドにはコースを石灰で引いていた 体育係や部活の後輩がやっていた なお石灰がある部屋も常設していた

イトウさんからのアンサーてか続きははこちら「ここをポチットなー

 

 

 

2012-12-06 | Posted in ISHIKAWA旅日記Comments Closed